iPhoneアプリの販促活動に関してまとめてみた
ビジュアル英英辞書アプリLinkedWordをリリースして1週間ほど経ちました。色々と販売促進(プロモーション)活動をしてみましたがむやみやたらと告知をしても効果が出るわけではありませんでした。
次から効率よく販促できるように今回行った販促活動とその効果についてまとめてみました。
Googleサイトを使って紹介ページを作成
iPhoneアプリが完成したらまずはアプリの紹介ページを作成します。アップルにアプリを申請するときにサポートサイトがないと審査が通らないので作成します。ブログにアプリ紹介記事を書いて代用することもできますが、開発したアプリを海外でも売りたいのであればブログはおすすめできません(ブログで2言語対応は無理があるので)。
アプリ紹介のためにわざわざレンタルサーバ借りてホームページ用意してとかやってると費用も時間もかかります。そこでGoogleサイトというサービスを使ってアプリの紹介ページを作成します。このサービスを使うとわりと簡単にホームページを作ることができるのでおすすめです。LinkedWordの紹介ページもGoolgeサイトで作成しました。今のところ1日平均アクセスは15PVぐらいです。
国内販促活動
ブログで告知
LinkedWordをリリースした日に最新記事で告知しました。
本ブログ(A Day In The Life)は1日平均200PVあるのでそこそこ効果が出るかと思いましたが、ほとんど効果がありませんでした。本ブログのページごとのアクセス数をきちんと解析すると200PV中トップページへのアクセスはよくて1日10PVでした。そんな状態では効果がなくて当たり前です。トップページのPV数が多いブログであれば効果があると思います。
今のところ記事で告知するよりもブログのサイドメニューに開発したアプリ一覧を載せる方が効果がありそうです。
このブログからアプリ紹介ページへのアクセスは合計10回、売れたアプリの数は2個でした(11月3日現在)。
Twitterで告知
Twitterでハッシュタグを付けずに告知をしてみましたが売上に直結する効果はありませんでした。フォローアが70人程度なので普通につぶやいても多くの人の目に留まることがないので効果がなくて当たり前です。#iphoneハッシュタグをつけるか、iPhoneBBSのようなtwitterと連動するBBSを活用するのがいいと思います。iPhoneBBSには以下のような告知板があります。
またTwitterにはいくつかのiPhoneコミュニティがあるのでそこに告知をするのもおすすめです。
@iphone_dev_jpとiPhoneBBSに告知をした結果、アプリ紹介ページへのアクセスは130回弱ありました(何個売れたかは把握できませんでした)。1回のリリース告知で120〜200ぐらいのアクセスがあります。
それ以外にもアプリ名で検索をかけてみたところ、LinkedWordのレビューを書いてくださっている方がいました。その方から要望を聞くことができました。アプリ名でTwitter内を検索してみると意外な発見があるかもしれません。Twitterで既存ユーザの要望を拾いつつ以下の記事のようなことにも気をつけてバージョンアップ計画を立てて行こうと思います。
Twitterでの販促効果を測るのに便利なサービス
bit.lyはURLを短縮してくれるサービスです。URL短縮以外にも生成したURLのクリック回数を測定してくれるのでTwitterで告知したリンクがどのぐらいクリックされたか把握することができます。
BackTweetsはあるURLがTwitter上でどのぐらい話題になったかを調べることができるサービスです。開発したアプリのページがTwitter上でどのぐらい話題になってるかを調べるのに有効です。
プレスリリース
無料でプレスリリースを行ってくれるサイトがあるので試しに下記サイトに登録してプレスリリースしてみました。
結果Value Pressのサイトから5回アクセスがありましたが売り上げには直結しませんでした。プレスリリースした内容が新聞社や有名サイトの目に留まり取り上げてもらえれば効果が出たかもしれませんが、プレスリリースを出しただけでは効果はありませんでした。無名の個人開発者はプレスリリース出すよりもTwitterで告知する方が効果が高いと思います。
Googleグループで告知
以下の2グループで告知しましたが全く効果ありませんでした。2グループからの合計アクセス数はたったの1回でした。開発者が集まるところなので当たり前といえば当たり前ですが。
iPhone Developer Japanは新作アプリの告知を受け付けてもらえるのでだめもとで試してみるといいと思います。
mixiで告知
mixiのiPhoneアプリのコミュニティー2つと英英辞書のコミュニティーに告知しました。結果8回アクセスがありましたが売り上げには直結しませんでした。
Greeでも告知しようと思ったのですがGreeにはiPhoneアプリを告知できそうなコミュニティーがなかったので今回は見送りました。
アプリ紹介サイトに売り込み
iPhoneアプリ紹介サイトには掲載依頼フォームなんかが用意されていて気軽に掲載依頼を出すことができます。今回は以下のサイトに依頼を出しました。
- meet i
アプリの評価が星でわかるので面白いです。掲載依頼を出した日に近日中に掲載しますと返事がきました。レスポンスが早いのが魅力的です。11月5日にレビューが掲載されました。掲載された日は4個売れました。その後もちょくちょく売れてます。 - AppBank
かなりの人気サイトなので掲載されれば効果が期待できます。11月8日に数時間だけ紹介記事が掲載された後、11月10日に正式に掲載されました。ちなみに数時間掲載されただけで14個売れました。正式掲載された日は51個売れました。この反響は凄いです。 - これがiPhoneクオリティ!
個人で運営されているブログです。11月18日に掲載依頼をして12月5日に掲載されました。レビューが掲載された日に7個、次の日に6個売れました。
meet iさんAppBankさんに掲載されたおかげでリファレンスカテゴリの有料ランキング6位にランクインされました。
2chのiPhoneアプリ系スレでアピール
2chの家電製品>iPhoneカテゴリにはいくつかのiPhoneアプリスレがあるのでそこに書き込みをしてみました。今回書き込んだスレは以下です。
- 神アプリのみをあげるスレ
- 【成長】今後化ける予感がするアプリ【楽しみ】
- App Store総合スレ
- 【App Store】iPhone用アプリ 総合スレ【Cydia】
- 【国語】辞書辞典事典レファレンス【英和】総合
- iPhoneで英語学習
アプリ紹介ページのページビューが100PV(普段10PVぐらい)を超えた上に10個ぐらい売れました。それなりに効果がありました。
雑誌に記事を書いて間接的にアピール
日経ソフトウエアにiPhone vs Androidという記事を書きました。
著者プロフィール欄にLinkedWordの宣伝を入れてみました。ブログのアクセス数は伸びたのですが売上効果があったかは今のところわかりません。
海外販促活動
プレスリリース
海外でも無料でプレスリリースをしてくれるサービスがあるので利用してみました。本文を200ワード以上で書かないといけない縛りがあるので気合を入れて英文を作成する必要があります。iPhoneカテゴリがあってそこにリリースを打てるのがいいところです。
初めてのプレスリリースの場合承認に1週間以上かかります(10日かかりました)。プレスリリース後に「プロモコードが欲しい」という依頼が2件ありました。またTwitterでも少し反響がありました。予想以上に効果がありました。
facebookでアピール
facebookにはmixiと同じようにiPhoneアプリのコミュニティー(facebookではグループといいます)があるので書き込みをしてみましたが効果はほとんどありませんでした。
海外掲示板でアピール
everythingiCafeというサイトのiPhone Forumsにアプリの告知ができるスレがあったので書き込んでみました。残念ながらほとんど効果はありませんでした。
海外のアプリ紹介サイトに売り込み
以下の記事を参考に掲載依頼を出してみました。
- 開発したiPhoneアプリの周知に使えるiPhoneアプリレビューサイト8選+2
- The 7 Best iPhone Apps Review Websites
- 海外のiPhoneアプリ系につよい有力メディア、ブログを教えてください。
今回依頼を出したサイトは↓です。
- iPhone Application List
アプリリストに載せていただきました。 - App Advice
アプリリストに載せていただきました。 - AppCraver
アプリリストに載せていただきました。後日105ドル払うと優先的にレビューするとメールがきました。 - The iPhone App Review
35ドル払わないとレビューしてもらえないです。 - iPhone App Reviews
広告出さないかとしつこくメールがきました。 - freshaps
SNS型のアプリレビューサイトで自分でアプリを登録することができます。ただしレビューには100ドルかかります。 - i use this
SNS型アプリ紹介サイトで自分でアプリの登録ができます。レビューはやってないみたいです。 - Panappticon
- appstoreapps.com
- iPhone Alley
- iLounge
- apptism
アプリリストに載せていただきました。 - MobileCrunch
iPhone関連の記事を書いている方にメールを投げてみました。 - AppVee
199ドルで広告枠あるよと言われました。 - TUAW
- AppleInsider
- 148apps
レビューキューに追加したよ。でも時間かかるよと返事がきました。 - AppScout
- AppSafari
1週間後にフロントページの新着リストに載せるよと返事がきました。 - LivingSocial iPhone Apps
SNS型アプリ紹介サイトで自分でアプリの登録ができます。ユーザーがコメントを書き込めます。 - Cool iPhone Apps
プロモコードを送るとサイトのプロモコード一覧に載せてくれますが、レビューには10ドルかかると言われました。 - Which iPhone App
プレスリリースを見てプロモコードが欲しいと依頼がありました。Daily App Digestに載せてもらいました。 - CrazyMikesapps.com
プロモコードと一緒にレビュー依頼を出しました。2月17日にレビューしてもらいました。 - APP POPULAR
プレスリリースを見てプロモコードが欲しいと依頼がありました。
CrazyMike'sAppsというサイトでレビューしたいただきましたが、残念ながら売り上げにはほとんど貢献しませんでした(売上2個、プロモ10個)。
海外販促活動はなかなか結果が出ません
上記のとおり今のところ海外販促活動は全くといっていいほど効果がでていません。じゃあお金をかければよいのか?というとそう簡単でもないようです。海外販促活動に関しては以下の記事が参考になりました。
- iPhoneアプリのマーケティングについての熱い議論で目鱗した件
- 「iPhone or Android?」――あなたの知らないモバイル業界の真実
- 円高だったので$249を投じてUS市場向けにiPhoneアプリの広告を出す実験を行いました。
バナー広告やAdmobの広告がほとんど効果なしとなると、海外に全く接点がない一開発者ができることと言えば英語のブログを書くか有料のレビューサイトにレビュー依頼を出すことぐらいでしょうか。
アプリを英語化したからといって海外で売れるとは限りません。
Pay Per Post(Pay Per Review)は慎重に
日本のレビューサイトからお金を請求されたことはありませんが、海外レビューサイトに依頼をすると結構な割合でお金を請求されます。ブログなりレビューサイトにお金を払って商品に対する記事を書いてもらう手法のことをPay Per Postというそうです。中にはお金をもらったことを明記せずに記事を書く悪質な行為(広告なのかレビューなのか読者が判断できないため情報の信憑性がなくなります)をするサイトがあるようなので気をつけてください。私はPay Per Post自体があまり好きでないためLinkedWordの販促ではやってません。
Pay Per Postについて詳しく知りたい方は以下の記事が参考になります。
Google Analyticsを使ってアクセス解析
LinkeWordの紹介ページとブログにGoogle Analyticsを入れてます。一日にどれぐらいのPVがあったかやどのページからアクセスがあったかなどわかるのでとても参考になります。無料だしGoogleサイトとの相性もいいのでおすすめです。
Google Analyticsは販促の効果を知るためにも必要です。
結局売上はどうなの?
10月23日にリリースしてからの売上(11月12日現在)です。
アメリカ | 日本 | その他 | 合計 |
---|---|---|---|
21 | 133 | 11 | 165 |
売り上げグラフ
10月27日 | この日までApp Store新着リストに載る |
11月2日 | この記事を書く |
11月3日 | AppBankさんでこの記事が紹介される※ |
11月5日 | meet iさんでレビュー掲載 |
11月8日 | AppBankさんで数時間だけレビュー記事が掲載される |
11月10日 | AppBankさんにレビュー記事が掲載される |
11月11日 | 鈴木盛人氏のブログに掲載される 1.0.1リリース |
11月12日 | リファレンスの有料ランキング6位にランクイン |
※AppBankさんでこの記事が取り上げられたおかげで休日にも関わらず425PVありました。休日の平均PVは70〜80なので驚異的です。AppBankさんの影響力の強さがわかります。
自画自賛の販促だけでは効果なし
ここまで書いたことをまとめると
は自らエンドユーザに売り込みをかけるので自画自賛の販促と言えます。これらの販促活動はあまり効果はありませんでした。自分で自分のアプリを褒めて売り込むよりもエンドユーザーからのレビューやアプリ紹介サイトでのレビューの方が効果がありそうです。ただしおなじ自画自賛でも2chは匿名なのでうまく書き込めばそれなりに効果がありました。
App Storeの新着リストとランキングは効果あり
App Storeの新着アプリ一覧とカテゴリ別ランキングに載った日は平均8個ぐらい売れました。
平日はアプリリリースが多いので新着に表示されてもすぐに消えてしまいますのでリリース日は平日よりも土日の方が良いと思います。
バージョンアップしたときにリリース日を土曜日に設定していたら新着リリースに載らなくて、なんかおかしいと思っていたのですが調べてみると↓の記事を発見しました。iTunesのバグが原因らしいです。
リリース日を土曜/日曜日に設定すると、AppStoreでリリースはなされるが、リリース日順のリストには翌平日にならないと表示されないので注意。
リリース日設定に関しての注意事項: iPhoneアプリ開発備忘録
リリース日は必ず平日で。土日はアップされないということを考慮に入れると金曜日がベストということになります。
アプリ紹介サイトが一番効果的
今回一番効果があったのはAppBankさんのレビュー記事でした。ダントツでした。おかげさまでカテゴリ別ランキングにも載り副次効果もありました。海外のレビューサイトはお金を要求してくる場合があるので注意が必要ですが、日本のレビューサイトであるAppBankさん、meet iさん、これがiPhoneクオリティ!さんは信頼できますし実際に効果もありました。